複合的要素が絡み合うことで道が開ける。
渡邊:
20代前半は洋服屋の販売員をされてて、その後は建設会社でお勤めされてたんですよね。アクセサリーデザイナーに転身されたきっかけって何だったんですか?
佐藤:
とくにアクセサリー好きってわけでもなかったんですよね(笑)。
でも、もともと美術が好きで、その中でも絵を描くより立体的なものを作ることが得意だったから自分を表現できるのはこれだなぁって思ってはいましたね。
渡邊:
それは以外ですね。アクセサリーに興味がなかったっていうのは。
最初は苦労なさったんじゃないですか?
佐藤:
そうですね。ファッション雑誌とかめちゃくちゃ読みまくりましたよ。
シルバーがはやってるんだぁとかこういうブランドが人気あるんだぁとかね。
渡邊:
ところでMONGOってどういう意味ですか?何語?
佐藤:
何語でもないですよ。モンゴロイドってところから。モンゴロイドっていうのはアフリカ系の先住民で人間の祖先なんです。
そこから大陸移動がはじまって世界中にひろがって現在にいたっているわけですが、そういうところから自分も原点にもどって、デザインしたアクセサリーを世界中に広げていきたいなぁってことでMONGOをスタートしました。
オリジナルかどうかはお客さまが決めること
渡邊:
MONGOの作品って一目見て“MONGO”ってわかりますよね。
だからすごくオリジナリティを感じる。佐藤さんにとってオリジナルとはどういうものだと思いますか。
佐藤:
どんなものでも少しづつ違いはあると思います。その違いをオリジナルといってしまえば確かにそうなのかもしれません。
でも、最終的には身につけていただくお客さまが決める事だと思っています。僕は“ここがカッコいいでしょ”とか“ここが他とはちがうんだよ”みたいな主張はあまりしないですね。なんか押し売りっぽくて(笑)。だから、お客さまに「MONGOに似たものってないよね。オリジナリティを感じる」って言っていただけた時はすごくうれしいですね。
渡邊:
めちゃくちゃオリジナリティありますよ。僕はお客さん目線だから間違いない。
でも主張しないってなかなかできないですよね。どうしてもアピールしたくなる。わかってくれぇみたいな。
佐藤:
そう考えるとちょっと特殊かなぁ。みんながよろこんでくれて、みんなの日常に少しだけ色を添えるようなものであればいい。ホントそれだけを思っていますね。そんな中で100人、1,000人、10,000人ってよろこんでくれる人が増えればうれしいですよね。
だから自分目線で主張するんじゃなくて、お客さまそれぞれがMONGOをイメージしてくれてよろこんでくれれば一番いいです。
周りの方達の熱心な気持ちがさらにMONGOを際立たせる
渡邊:
「ガラスとシルバーの組み合わせ」「ドクロや蝶をモチーフにしたもの」「愛(AMOR)勇気(VALENTIA)希望(ESPERANZA)というスペイン語が刻印されたもの」など、MONGOのアクセサリーはデザインの幅が広いなと感じるんですが、アイデアが次々と浮かぶその発想の源は何ですか?
佐藤:
思いつきかな(笑)。
でも、ファッションは常にきにしてますよ。アクセサリーを中心に洋服をきこなす人はあまりいませんからね。洋服があってそれにあわせたアクセサリーを選ぶ。言ってしまえば調味料みたいなものなんですよ。だから、ファッションからはインスピレーションを受けますね。特にレディースメインのブランドでメンズアイテムもレディースの色をのこしているようなブランド。同じブランド名なのにメンズとレディースが違うものに感じるようなブランドはあまり好きじゃないんで。
ただ、ガラスを使ったり、蝶をモチーフにしたり、スペイン語が刻印されてたりっていうのはMONGOのバリエーションを増やしたかったからってことが大きくて感覚的に生まれたものですね。お客さまにはいろいろなバリエーションを楽しんでもらいたいですから。そして、1シーズンのうちどこかでは使ってもらえるようにありつづけたいですからね。
渡邊:
レディースを特に意識するってことですけど、女性の流行ってすごく早いですよね。
常に受け入れられていくのって大変じゃないですか。
佐藤:
そうですね。何でもそうだと思いますけど、いいものだからといってほっといて受け入れられるってことはないですよね。
デザインだけがよければいいってものでもないし。複合的なもので初めてなりたっていくんだと思うんですよね。
お店の販売員の人たちが熱心に進めてくれて、それでよりいっそう際立ってお客さまが買ってくれるわけですから。そういった販売員の方達やサポートしてくれる方達の熱心な気持ちで受け入れられてるんだと思いますよ。
渡邊:
それわかります。去年
スパイスラックがスタートしたのも、このROOTBOXを立ち上げたのも周りの方達の存在ってすごく大きかったですね。
10年後はわからない。でもデザイナーでありつづけたい
渡邊:
MONGOは今年で7年目ですよね。今後の展開ってどうなんですか?
佐藤:
このぐらいの年月やってると会社になったり複数ブランド立ち上げたりってあるんだけど、僕はOneブランドでがんばっていきたいですね。10年後どうなってるかっていうのは正直わからないですけどデザイナーでいたいです。そして60代、70代の方たちがおしゃれできるアクセサリーをつくっていたいですね。